葉酸Q&A

Q.葉酸とはどんな働きをもつビタミンですか?
A.葉酸は、細胞の中でホモシステインというアミノ酸がメチオニンというアミノ酸に変換される反応を、助ける働きをしています。メチオニンは、たんぱく質の合成に必要です。また、細胞増殖に必要なDNAの合成にも必要です。特に妊娠初期は、胎児の細胞増殖が盛んなので、葉酸が大変重要です。

Q.葉酸はどんな食品に含まれているのでしょう?
A.葉酸は、ほうれん草などの葉ものの野菜や果物、豆類、レバーなどに多く含まれています。

Q.普段の食事で、どれくらい葉酸がとれますか?
A.平成10年度の国民栄養調査データから、20~30歳代の女性で1日平均約300マイクログラムの葉酸をとっていることがわかりました。それに対して、野菜類を多くとっている60~70歳代の女性では、1日平均400マイクログラムとっています。以上の結果から、普段から野菜や果物をとることの大切さがうかがえます。

Q.葉酸をとりすぎると、体にどんな影響がありますか?
A.現在までのところ、葉酸のとりすぎによる疾患はみられていません。1日に1000マイクログラム以上の葉酸をとると、ビタミンB12欠乏症による「巨赤芽球性貧血」という病気を診断しにくくなることが知られています。しかし、この「巨赤芽球性貧血」は若い人ではめったにみられません。

Q.神経管閉鎖障害とは、どんな疾患ですか?
A.神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などの中枢神経系のもと(神経管)が作られる妊娠の4~5週ごろにおこる先天異常です。我が国では、出生した赤ちゃん1万人に対して約6人の割合でみられます。神経管の下部に閉鎖障害が起きた場合、これを「二分脊椎」といいます。二分脊椎の起きた部位では、脊椎の骨が脊髄の神経組織を覆っていないため、神経組織が障害され、下肢の運動障害や膀胱・直腸機能障害がおきることがあります。神経管の上部で閉鎖障害が起きると、脳が形成不全となり、これを「無能症」といいます。無能症の場合、流産や死産の割合が高くなります。

Q.葉酸をとっていれば、神経管閉鎖障害をすべて予防できますか?
A.すべての神経管閉鎖障害が葉酸の摂取不足だけで起こるわけではありません。ですが、葉酸不足によって引き起こされると考えられる場合とそれ以外の原因によるものを見分ける方法は残念ながらありません。

監修:大門美智子先生

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