タバコの妊娠・分娩への影響

妊娠中の喫煙は、胎児や妊娠・分娩に対して、どのような悪影響をもたらすのでしょうか? タバコの煙に含まれるニコチンは、血管を収縮させ(痙攣したように収縮してなかなかもとに戻らないので痙縮といいます)、子宮そして胎盤への血液量を減少させてしまいます。
タバコの煙中の一酸化炭素が胎児のヘモグロビン(血色素)と結合して、酸素の運搬能力を大幅に低下させます。これらが相まって、胎児は、低酸素の状態にさらされることになります。また、胎盤も機能が落ちて障害をうけるために、妊娠や分娩の合併症が起こりやすくなるわけです。
タバコを吸う妊婦では、非喫煙者に比べて、
早産および自然流産の頻度が1.5倍に
周産期死亡も1.2~1.4倍に
胎盤早期剥離、前置胎盤、出血などの妊娠合併症の危険性も高くなります。
さらに、妊娠中の受動喫煙の影響として、低体重児の頻度が高くなります。ちなみに、母親となる女性が妊娠前に禁煙した場合には、出生体重は、非喫煙者と同等になります。

監修:大門美智子先生

この機会にタバコをやめよう!

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